パーキンソン辞典・お知らせ
COVID-19ワクチン接種とパーキンソン病
COVID-19流行はいまだ収まらず、パーキンソン病の患者さんにとっては不安な日々が続きます。これまでの報告ではパーキンソン病の患者さんが特にCOVID-19に感染しやすいということはありません。しかし一般に高齢者は感染すると重症化しやすく、パーキンソン病患者さんの場合も例外ではありません。したがって非常事態宣言が解除された後も引き続きソーシャルディスタンス、マスク装着、手指消毒等の人から人への感染を防ぐ方策は必要です。
さてこの長いトンネルを抜け出す可能性のある方法がワクチンの開発です。いよいよ日本でも医療関係者を中心にワクチン接種が始まりました。これまでの報告では長期の施設入居でほぼ寝たきりの患者さんを除き、パーキンソン病患者さんにこのワクチンの副作用が特に高いわけではないことが報告されています。パーキンソン病の権威ある雑誌においても以下のように推奨されています。(Bloem BRら、COVID-19 Vaccination for Persons with Parkinson's Disease: Light at the End of the Tunnel? J Parkinsons Dis. 2021;11(1):3-8.)
進行期パーキンソン病の患者さんはCOVID-19により重い症状がでる可能性があります。
今開発されているワクチンを接種してもパーキンソン病患者さんの進行が早くなることはありません。
ワクチン接種にみられる副作用はパーキンソン病患者さんも一般の人と同じです。
ワクチンは高齢者においても安全ですが長期の施設入居でほぼ寝たきりの患者さんには注意が必要です。
ワクチン接種でパーキンソン病治療薬の効果が悪くなることはありません。
以上のことから特に他の問題がなければパーキンソン病患者さんがワクチンを受けることを推奨します
ワクチン接種後であってもそれまでの感染対策は続けることが必要です。
今後は状況が変わることもあり、新しい医療情報に常に注意を向けましょう。